惚れてしまうやろ!それ

惚れてしまうやろ!それ

語り継ぎたい上司の言葉

その一言で100倍踏ん張れます

こんにちは、ずんずんです。

師走の足音が近づいて、今年もあとわずかとなってまいりました。私と言えば、

今年も仕事を辞めずに済んだ……

と意識の低い喜びを感じておりますが、皆様どうお過ごしでしょうか。

どんな上司がいたら頑張れる?

人が会社を辞める理由として、いちばん多いものは人間関係と言いますが、上司がよければ、ちょっとぐらい仕事が苦しくても人は頑張ってしまうものです。
部下は生かさず殺さず……

ブログをお引っ越ししました! 頑張って更新中! よかったら見てみてね☆

そう思われているイケてる東洋経済オンラインのすてきなおじさま読者の方々も、多いのではないんでしょうか。意外と中高年の男性ファンの方がいらっしゃるようなので、媚びてみました。すいません。

さてはて、人間というものは、誰かの一言で救われたり奮い立たされたり、はたまた奈落の底に突き落とされてしまうものです。それが仕事に直接関係してくる上司だったらなおさらのこと。

部下にかけるべきいい言葉って、いったい何なのでしょうか。

外資系だと、ある日、部署全体がお取り潰しになったり、突然、解雇されることが多々あります。リストラを避けるために、

迂闊なことをするとクビになるかも?

これが間違っていたらクビになるかも!?

と新人のうちはビクビクしながら働いているものです。

これは加齢が進むと、いや面の皮が厚くなっていくと、

まあ何とかなるか

ぐらいになるのですが、新人の頃はなかなかつらいもの。このストレスに負けてメンタルをやられてしまう若者もいるぐらいです。

こんな生活、いつまで続くんだろう……

しかし辞めたくはないし、クビにもなりたくない。

とうじうじ考えていたときのことでした。

当時、勤めていた外資系投資銀行のCEOが、世界中の支店を巡ってスピーチをしてくださるというクソみたいなイベントがありました。

この忙しいのに大ホールに従業員が集められ、彼のありがたいスピーチを皆で聞かねばならないのです。

クソみたいなイベントというのはちょっと言い過ぎでした。ちょっとクソみたいなイベントです。
会場が歓声に包まれたワケ

CEOの感動的なスピーチが終わり、最後の質疑応答のコーナーで、従業員がCEOに質問できる機会がありました。

目立ちたがり屋のインターンが手を挙げて、

「僕たちインターンにアドバイスをくれませんか」

と言いました。

全員失笑です。

彼はインターンであって、従業員ではないのです。まだ奉公前の分際で何を言ってるんだ……、そんな白けた空気が流れたとき、CEOは言いました。
「未来のことは考えず、“今”を働け」

将来のことを気にしていてもどうにもならない。今に全力を尽くせ。

彼はそう続けました。

「俺も人生で2回クビになったけど、ウォール街にこうやって戻ってきたぞ!!!」

彼がそう叫ぶように言ったので、

その説得力に会場が

「お…!!?おおおおお!!!」

と異常に盛り上がったのを記憶しております。

さてはて、次にご紹介したい上司のきらりと光るセリフはこちらです。

「そのうち慣れるよ」

これはエレベーターで地域統括部長(エリアマネジャー)と一緒になったときのお話です。

エレベーターって無慈悲ですよね。どんなに下っ端でもどんなに偉い人でも、エレベーターに乗らなければオフィスにたどり着くことはできません。しかも、うっかり偉い人とエレベーターで2人っきりになってしまった日には、私なんて小心者ですから、

何か小粋なトークをかまさなければいけない……

そんな緊張感が走ります。

それもこれも「慣れる」と言い切れるすごさ

ちょうどこの日は、1回ぐらいしかお会いしたことのないエリアマネジャーとエレベーターに同乗してしまいまして、

やばい、どうしよう!?天気の話でもしとくか!?

とコミュニケーション能力の低いことを考えていたのですが、先にエリアマネジャーのほうが声をかけてくれました。

彼は「この会社、どのぐらい?」と聞いてきました。私が1年半ぐらいですと答えると「じゃあもう慣れただろう」と彼は笑いました。

ええ、でもまだ大変でと私が言うと、彼は

「それもそのうち慣れるよ」

と笑うと、ちょうどエレベーターが階に着いて、彼は降りていきました。

その後ろ姿を見て私は思いました。

エリアマネジャーは、今の地位にたどり着くまでに相当な努力をしてきたでしょう。もしかしたら数人殺してるかもしれません。これは私の金融の偉い人のイメージで、事実とは異なります、たぶん。

どんなつらいことも、どんな大変なことも、何度も何度も繰り返していけば練度も上がり、苦しくなくなっていきます。その結果、自分のキャパシティも増えていきます。

この偉い人もたくさん大変なことがあったかもしれませんが、その苦労も

そのうち慣れるよ

と言い切れるところで、

やはり百戦錬磨は違うな、と思ったものでした。

そして、最後はこちらです。

これまた偉い人のスピーチでのお話です。なぜ外資系では偉い人が頻繁にスピーチするんでしょうか。そんなに言いたいことがあるんでしょうか。

ちなみにスピーチは事前に3回ぐらいリハーサルしてるって聞いたときには、

ほかにやることがあるんじゃないかな?

と思ったのですが、偉い人には偉い人の仕事があるんです。
ドライな外資のあったかい話

ともかく新しいCEOが就任して、その就任あいさつがあったとき、これまた質問コーナーがありました。ひとりの女性がCEOに
「あなたをドライブするものはなんですか」

と質問しました。

ドライブするものというのは、日本語で言えば「自分を突き動かすもの」といったところでしょうか。モチベーションというよりもうちょっと衝動的な原始的な欲求を意味します。

CEOはこう答えました。
「チームメートを失望させたくない、自分自身に失望したくない。ただそれだけのために仕事をしてきた」
それを聞いた私は驚きました。

チームメートを失望させたくない!??だと!?

私たちは日々、組織で仕事をしています。そしてもちろん同僚とチームとして働いていますが、仕事は仕事、会社の人は会社の人、そんなふうにドライに人間関係を区切ってる人も多いのではないでしょうか。

特に外資系では人間関係が希薄になって、チームワークという概念がどうも置き去りになってしまいます。

しかし、CEOは同僚を失望させないために、そして自分自身に失望しないために粉骨砕身働いてきたというのです。

ドライな環境であってもチームワークを忘れず、目標達成することが仲間との約束を守ることでもあり、自分自身との約束を守ることでもあるのです。

CEOの言葉を聞いたとき、私はたいへん感動しました。私もそう思えるような社内の人間関係を作ることが、いつかできるのでしょうか。

まあ、スピーチの練習を3回ぐらいしたんですから、この質問と回答も仕込みかもしれませんが……。

といったところで今日は失礼します☆

2015年12月24日